40代の80%が罹患しているともいわれる歯周病。日本疫学会の発表によると、普通体型の人に比べ肥満の人は、約1.5倍も歯周病にかかりやすいという。
■歯周病菌の毒素が、肥満の原因に
歯周病とは、生活習慣病のひとつで、歯の周りの組織に発生する慢性疾患の総称です。わかりやすくいうと、歯肉や歯槽骨が歯垢(プラーク)の中の細菌によって引き起こされる炎症によって、破壊されていく病気です。程度の差はありますが、実は日本人の成人の80%以上がかかっているともいわれています。
特に、肥満の人は、普通の人に比べて歯周病が悪化しやすいと考えられています。というのも、肥満の人の内臓脂肪には、炎症反応を活発化させる物質がとても多く分泌しているからです。歯周病は歯周組織の炎症なので、肥満の人は要注意なのです。
反対に、歯周病が、肥満を引き起こす原因になることもわかっています。歯周病菌が出す毒素を、マウスの皮下に注入し続けたところ、内臓に脂肪が沈着し、肥満を引き起こしたという研究結果が発表されています。これは、歯周病菌から出た毒素が、血液中に入り込んだことが肥満の原因であると考えられています。さらに、肥満になるとインスリンの分泌が少なくなったり、働きが悪くなったりして、糖尿病を引き起こす可能性も高まります。
■歯垢・歯石はセルフケアも可能
歯周病のケアで一番重要なのは、プラークコントロールです。プラークコントロールとは歯ブラシやデンタルフロスなどを使ってプラーク(歯垢)を歯や、歯と歯茎の隙間から取り除くことです。これは自分でできることなので、丁寧な歯磨きを毎日実践するのがいいです。たとえば、歯ブラシだけではなく、フロスも併用することで、歯の汚れの約80〜90%を落とせると言われています。最低でも15分間は磨くようにしましょう。
ただ、いくら気をつけて歯磨きをしていても、だんだんと歯石がついてきます。 歯垢(プラーク)は取り除かなければ硬くなり、歯石に変化して歯の表面に強固に付着します。これは歯ブラシだけでは取り除くことができません。定期的に歯医者さんに通って歯石除去をしてもらう習慣をつけましょう。
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